コマーシャルメッセージ(英語: commercial message)は、本来は「商業用の伝言」全般を指し、マス媒体に限らない。しかし、ラジオ・テレビの普及とともに、民間放送においてラジオ番組・テレビ番組の前後や番組の途中に流される、短い広告放送のことを指すことが一般的になっている。コマーシャル、CMとも略される。
広義のCMに対して、テレビ・映画・インターネットなどの「動画広告」を特に区別する場合は、CF(commercial film)と呼称している。
英語で広告を意味する場合、advertisement(アメリカ英語ではアドヴァタイズメント、イギリス英語ではアドヴァーティスメント)、またはその省略形である“ad”(アド)、あるいは“advert”(アドヴァート、イギリス英語)と言う。テレビコマーシャルは口語表現(米国)としては“Camera show”と言われ、英会話の中でCMやCFという表現が使われることはない。
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日本の民間放送局のうち、地上波放送局、地上民放系BSデジタル局、ラジオ放送局などは、通常、CMを放送することで広告主(スポンサー)からの広告料によって利益を得ている。広告収入は、番組の制作・購入費の主要な財源でもある。最近では、インターネットにて番組コンテンツを配信する事業者においても、冒頭、終了前、中間などで動画CMを流している。いまやステレオ放送が当たり前となっているテレビ・ラジオのCMだが、近年は5.1サラウンドステレオ音声収録のCMもわずかだが登場するようになった。
視聴に際して料金が必要となるケーブル放送、一部衛星放送(スカイパーフェクTV!・WOWOWなど、但しノンスクランブル放送(無料放送)時にはその番組に関連したCMなどを流す場合もある)では視聴者からの契約料収入があるため、テレビCMを放映しない放送局もある(CS放送も行っている一部の地上波放送局では、過去に放送された番組の再放送時は番組中のテレビCMの放送を一切行わない局もある)。
日本以外の放送局の場合、アメリカの公共テレビ局のように、地上波民間放送局であってもテレビCMを流さないもの、ケーブルテレビのコミュニティチャンネルのように、広告収入も契約料収入もないものなどがある。日本では公共放送局であるNHKは広告を流すことによる収入を得ていないが(例外的にACジャパンによる公共広告のCMはある)[1] 、海外の放送局の場合、国営放送局等の公共放送局であってもテレビCMを流し、広告収入を得ている場合がある。
一本のCMの時間は、テレビでは15秒、30秒が多く、ラジオでは20秒から1分程度のものまである。かつては会社名や商品名のアナウンスだけの5秒ものもあったが、日本に於いては現在では15秒、30秒にほぼ統一されている[2]。1970年代初頭までは、番組本編中に画面下部にテロップでCMを入れることも日常的に行われていた。
日本本土では、ラジオ放送について1920年代の黎明期から1951年まで日本放送協会(NHK)の独占体制が続き、聴取料収入によって運営されていた事情もあり、ラジオCMが試みられた事はなかった。一方、第二次世界大戦終結まで日本の統治下にあった台湾では、「外地」扱いのためNHKとは別組織の台湾放送協会がラジオ放送を独占した。台湾放送協会は1932年6月15日から試験的に台湾島内でのラジオCMを開始したが、直後、日本新聞協会が広告メディアとしての競合を危惧して放送広告反対を決議、ラジオCM自体を好ましく考えていなかった当時の日本政府と台湾総督府からも中止圧力が掛かり、翌7月には年内での中止が決定されて、同年12月2日を最後にラジオCMを中止している。
日本本土で最初に放送されたCMは、新日本放送(毎日放送)が放送を開始した日の1951年9月1日に60秒間放送されたラジオCMで、「スモカ歯磨」のCMである[3]。なお、企業の宣伝目的を含んでいる時報もコマーシャルと解釈すれば、新日本放送よりも約6時間早く放送開始した中部日本放送で放送された。その内容は、精工舎から中部日本放送に提供された時計の予報音楽(リズミカルな音)に続いて通知音が鳴り「精工舎の時計が、ただ今、7時をお知らせしました」というものだった[4]。
日本最初のテレビCMは日本テレビ開局の日の1953年8月28日に放映された精工舎(服部時計店、現・セイコーホールディングス)の正午の時報であるが、当時の放送関係者の証言によると放送機材の操作に慣れていなかったため、フイルムが裏返しだったので、音がまったく出ず、音なしの状態で30秒間放送された(フィルムの場合、映像の左側に音を再生するためのサウンドトラックがあり、フィルムが逆向きになると音が再生されなかった)。なお、時報音はフィルムと関係なく挿入されたため正確に出た。ちなみに同日の午後7時の時報は無事に放映され、これが現存する日本最古のテレビCMである。翌日の正午、テレビCM第1号になるはずだった正午の時報も無事に放映された。従来、「3秒で放送中止となった」というのが定説だったが、これは間違いである[5]。
世界的に見て10 - 15秒程度の短いテレビCMが主流なのは日本と一部の周辺国のみ。かつては5秒というものもあった(一部のローカル局では今でも放映されている)。最近は提供広告で30秒枠も増えている。アメリカやヨーロッパは分単位が多い。一方、ヨーロッパ各国の深夜番組でのアダルト電話音声の広告では5秒広告も決して少なくない。フランスなど一部の国では、CM枠開始時と終了時にアイキャッチが入る。
日本を含むアジア圏では、1つのテレビCMが終わると、すぐ次のテレビCMが流れる事がほとんどだが、欧米ではテレビCMとテレビCMの間、テレビCMと番組の間に黒バックのフェード効果が挿入されている場合が多い。なお、アジアでも大韓民国では、CM同士の間にはフェード効果は挿入されていないが(日本と同様)、番組とCMの間にはクロスフェードあるいは黒バックのフェード効果が挿入されることが多い。またタイのテレビでは、CMから次のCMに切り替わる際、ごく短時間(0.5秒程度)黒バックの画面が挿入される(フェード効果は無し)。大韓民国では番組本編中のテレビCMは、同国の放送法施行令により禁止されている。スポンサー名を出すのは構わないが、会社ロゴも、宣伝となりうる看板や商品にあるロゴすらも取り決めで規制している(スポーツ中継は除く)。テレビCMは番組の本編開始前と本編終了後にまとめて放送する。朝のニュース情報番組や選挙開票特番など番組が2時間を超えるような場合は、番組を第一部、第二部のように区切って別番組扱いとし、30分〜1時間ごとにCMが流れるようにしている。テレビショッピングはそれ自体が宣伝なので例外。
日本では2000年代後半以降、CM末尾にインターネット検索用のキーワードを出すという手法が非常に多くのCMで使われているが、いち早くこの手法が行われていた韓国を除いて、他国ではほとんど使われていない。
日本で最初にカラーで放映されたテレビCMは、1962年のトヨペット・コロナ(トヨタ自動車)。砂塵を上げながらドラム缶を蹴散らすというもので、「スタント・ドライブシリーズ」の中の1つとして放映された。カラー放送を意識して、赤・青・黄色のドラム缶が登場する。日本で最初にステレオで放映されたテレビCMは、1978年のスコッチメタルテープ (3M) 。当時関東地区で音声多重放送を開始していたのは日本テレビとTBSだけで、始めに1秒程度画面下中央に"(放映局のステレオ放送のロゴ)ステレオCM"と表示されて放送された。
日本で最初に二ヶ国語で放映されたテレビCMは、1979年のNECの音声多重放送対応テレビ「語学友」。このテレビは二ヶ国語放送受信に重点を置いてスピーカーを一つしか持たないモノラルテレビのスタイルで音声多重放送が受信できるという変り種。その為、副音声で英語訳を入れるという二ヶ国語でのCMとなったと思われる。植木等をキャラクターに起用。主音声の日本語では「これで日本も安心だ!」などという節をつけたりしていたが、副音声の英語は純粋に男声での商品説明であり、完全な対訳ではなかった。このCMでは前述のステレオCMの時と違い特に二ヶ国語放送の旨は表示されなかった。しかし当時は音声多重放送を利用したCMは殆ど無かったので、このCMが組み込まれているゾーンでは最初から二重音声放送に切り替わっているのでオンエアは予測出来た。なお、TBSの『兼高かおる世界の旅』では全篇二ヶ国語放送を実施し、スポンサークレジットも二ヶ国語であった。
日本で唯一、3D立体映像で放送されたテレビCMは1988年に放送されたキリンのメッツ(ソフトドリンク)である。全編CGで作られ、赤と青のセロハンメガネで見ると立体として浮き上がる手法が取られており、放送期間中に専用メガネのプレゼントもあった。放送された番組は『ザ・ベストテン』(TBS)などの人気番組内であり、それ以外の時間帯は同一映像で3D用でないCMが放送されていた。事前告知したCM放送のために番組の視聴率を上げる効果がある珍しいケース。
近年ではハイビジョンで製作されるCMが多くなっているが、予算の都合で現在でも標準画質で製作されているCMが多い。地上デジタルテレビ放送への完全移行との絡みで一部のCMでは左右に黒帯をつけているものがある(この場合、アナログでは上下左右に黒帯が入る額縁放送となる)。
かつて銀行など、個々の金融機関のCMについては、金利自由化される以前、広告による競争原理は馴染まないという理由で業界の自主規制により、テレビ・ラジオでの広告が行われなかった。代わりにボーナス支給時等に全国銀行協会等業界団体としてテレビ・ラジオで広告をしていた。しかし、1985年からの金利自由化で、個々の金融機関の間でのサービス格差が生じるようになり、1988年秋よりラジオのスポット広告から解禁が始まった後、1992年元日より、テレビのスポット広告が解禁された。ただし当初は、放映時間数に制限を設けていたり、番組提供扱い=提供クレジット表示ができない、などの自主規制が行われていたが、後に番組提供扱いが可能となり、放映時間数の制限も廃止された。
1998年4月以降、タバコの銘柄(商品)についてのテレビCMは民放連の規定で放映を禁止している。
結婚相談所や興信所のCMは民放連の規定で禁止されている。2003年にはフジテレビが大手結婚相談所のコマーシャルを放送し批判を浴びた。しかし民放連に加盟していないコミュニティFMでは結婚相談所や興信所がスポンサーとなっている事例も存在する。
大手ビールメーカー各社が加盟しているビール酒造組合は、未成年者の飲酒防止の取り組みを強化するため、酒類(ノンアルコール飲料を除く)のテレビ広告放映の自粛時間を2010年秋より拡大した。同組合の「自主基準」においては、これまで「平日が午前5時から18時」・「土日祝(振替休日、1月2日・3日の両日を含む)は午前5時から12時」を自粛時間としていたが、2010年秋より「自主基準」の「テレビ広告を行わない時間帯」についての文言が、「年間を通し、5時00分-18時00分まで、酒類のテレビ広告を自粛する」に変更された。
パチンコ、パチスロのCMも2009年4月より、5時から9時までと17時から21時までのCM自粛時間を設けている。
消費者金融のCMで、最後に「ご利用・ご返済は計画的に」とアナウンスとともに出るが、これは自主的配慮ではなく日本民間放送連盟の「消費者金融CMの取り扱いに関する放送基準審議会見解」(平成15年3月7日決定)により、啓発文言を一定以上の文字の大きさと秒数(1.5秒程度)で表示するように指示されているためである。日本のように消費者金融のテレビCMを認めている先進国は珍しく、クレサラ問題に見る自己破産の急増から、テレビCMを規制する動きがある。2003年10月からは、夕方5時 - 夜9時、2006年4月からはそれに加え、午前7時 - 午前9時、夜9時 - 夜10時では、テレビCM放送を禁止しているほか、夜10時 - 午前0時の間についても各社のCMを月間100本に制限している。一時期はクレジットの中に「ストップ!借りすぎ」というアナウンスを入れていた。2006年6月から9月にかけては、「借りすぎ防止キャンペーン」として、金融会社の宣伝ではなく啓発を目的とした「ストップ!借りすぎ」というCMが、消費者金融連絡会=各社共同名義として放送されていた。
2009年6月1日に、改正薬事法が施行されたことで、一般用医薬品のCMにおける注意表示が変更された。
今日の飲酒運転による交通事故の多発により、2006年10月からビール酒造組合を中心とした酒類のCMの最後に、これまで使っていた「未成年者の飲酒は法律で禁止されています」もしくは「飲酒は20歳になってから」に替わり「飲酒運転は法律で禁止されています」のテロップが社名ロゴの下部などに表示されるようになった(中には2つ(未成年と飲酒運転)表示されているメーカーもある)。最近ではそれに加え、「お酒は楽しく適量を」や「妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります」といったテロップが表示されるCMもある。
ニュース映像など、テレビ番組のワンシーンと混同しやすい内容のCMには、「これは○○のCMです」と表示される。これは、民放連の規定にもある。
テレビCMの間は他のチャンネルに変える(ザッピング行為)人がいるため、視聴率が低下する傾向が見られる。
また、CMの間に「トイレに行こう」「用事を済ませよう」という人は多い。しかし、広告媒体費は高額で(特にテレビ放送)、民放のテレビ局やラジオ局はスポンサーからの広告媒体費が収入の多くを占める事から、この問題に非常に過敏になっている。あるテレビ番組では、出演したタレントが「CMの間にトイレを済ませましょう」と発言をしたために関係者が処分されるという事例があった。芸能人では、徳光和夫、井ノ原快彦、乱一世たちが、過去に同様の発言を行った。放送業界では冗談でもこの問題を公然と語ることはタブーとされている。
また、以前はCM突入前に「90秒後に衝撃の結末が!」のようにCMの放送時間を事前に告知することもあった[6]が、視聴者に都合のよいザッピングの機会を与えてしまう事や、遅れネットでCM本数の異なる別時間帯に放送する地域にも配慮してか最近はあまり用いられない。代わりに「CMの後に衝撃の結末が!」のようにCMの放送時間がわからないようにする放送形式が用いられる。一方で、バラエティ番組を中心に話題の流れの最中にCMを持って行き、視聴者がザッピングを行って本編を見逃すと話題の流れを見失う可能性を高くしたり、CM後に1分程度の短い本編を放送し、視聴者の注目を集めてからすぐにまたCMに突入することによって、結果的にCMを見る機会を増やそうとするテレビ番組も見られる。山場CMの項も参照。
近年の録画機器は、音声認識や映像認識などにより、テレビCMを識別し、自動的にスキップしたり、カットして録画する機能を持つ機器がある。たとえば、番組自体がモノラルまたは2ヶ国語放送でテレビCMはステレオ放送の場合、音声フォーマットの違いから番組とテレビCMの区切りがわかる。番組とテレビCM共にステレオなど、音声フォーマットが同じ場合は、映像や音声レベルの変化によってテレビCMを判別したりする。この機能を使ってCMだけを収集することも可能である。
CMが視聴されない状態はスポンサーを失い、放送業界の収入減に直結する。このことから、日本民間放送連盟会長でフジテレビ会長の日枝久は、「テレビ番組はCMも含めて著作物で、CMを飛ばして再生・録画することは著作権の侵害に当たる」と主張しているが、再生・録画は個人として楽しむための複製であり、これは認められている。著作権の侵害という指摘は強引である。2005年5月、野村総合研究所の調査では約540億円の経済損失だという試算をまとめたが、一方で電通はこうした機器の購買層はコマーシャルにも関心が高く、今のところ損失にはつながらないと分析している。
テレビCMは注目を集めるために、番組本編よりも大音量で流されることが多いので、視聴者から苦情が寄せられている。アメリカでは2009年12月にテレビCMの音量を番組と同程度に規制する法案が下院で可決された。[7] 法案は、米連邦通信委員会(FCC)に対し、過度に大音量な広告を規制することを指示する内容となっている。法案が成立した場合は、技術的に対応するため1年の猶予期間が設けられている。同様の法案はフランスでも可決され、違反した企業には売り上げの3%相当の罰金が課せられる。 日本では、2012年10月1日からラウドネス値を用いた『NAB技術規準T032 テレビ放送における音声レベルの運用規準』が行われる[8][9]。
サブリミナル効果(一瞬だけ製品映像を挿入して意識に刷り込む手法)を狙ったCMが作られることがある。サブリミナルが話題になり始めた80年代から2000年以前までは放送されるケースがあった。話題性や短期間に効果を出す事を期待して行われるなど動機は様々だが、実際の効果に疑問符が付いている点もあり、また人を欺く行為だとして禁止されている。テレビ局の事前審査で中止を促される場合がある。サブリミナルCMを自動検出する装置を使うテレビ局もある。そのため現在では殆ど行われていない。
CMには番組の途中で放送される、その番組の提供を行う企業などのCM(提供CMあるいはタイムCM)と、番組と番組の間のステーションブレイク(Station break、SB)と呼ばれる時間帯で放送される単発のCM(スポットCM、ステブレCM)がある。放送局によっては番組中にも提供を行わない企業のスポットCM(パーティシペーション(PT)とも)を放送することがある。契約上は提供CMであっても、番組開始クレジット直前に送出されるものは「カウキャッチャー」(CC)、終了クレジット直後に送出するものを「ヒッチハイク」(HH)と称する。
CMは、いくつかを連続させた「CM枠」単位で放送される。個々のCMの長さはテレビでは15秒、30秒、60秒など15秒を基本とし、提供CMは30秒など長めのものが、スポットCMは15秒ものが多い。ラジオでは10秒、20秒、40秒など10秒を基本とする。
CMには個々の商品やサービスに関する宣伝、企業イメージを訴求する宣伝などいくつかの目的・表現手法がある。また、企業CMのほか、政府・官庁、地方自治体、ACジャパンなどの団体のPRもあるほか、放送局自身が番組プログラムをPRするためのもの(番組宣伝あるいは番宣)がある。また、衆議院・参議院の選挙開催期間中には政党・政治団体のCMがスポットで頻繁に放送されるが、比例代表選出選挙の政見放送はNHKでしか行われることが多いため、事実上その代わりとして行われていると見なしてもよい。
なお、地上波民間放送においては、全放送時間におけるCMの放送時間比率を、おおむね20%程度に設定している。
テレビCMでは、市場シェアの大きな全国規模の大手消費者向け製造業(食品、医薬品、自動車、化粧品、家電製品、時計、衣料品など)、大手小売業(大手スーパーマーケット、大型家電量販店チェーンなど)の物が多い。ローカル局では、地元の建設会社や不動産会社、パチンコなどの企業のコマーシャルが流れる場合も多い。
ラジオCMでは、テレビの業種に加え、より狭い地域に展開する小売店(放送エリア内にも関らず、近在に店舗がない場合も多い)、食品メーカー、大学など、知名度の低い企業の物もある。ラジオの場合、商品や企業の宣伝広告ではなく、朝の時間帯に当日開催予定のイベントの実施あるいは中止などの情報を伝えるCMもある。これは、制作費や放送費がテレビCMに比べてラジオCMは安い(音声だけであり、さらにBGMなどの音楽を使わなければ著作料も発生しない)ことも考えられる。
以前からウェブサイトのURL(http://www.○○○.co.jp/ など)を表示するCMはあったが、2006年ころになって、CMの後半に商品名や内容などが入った検索窓が表示され、インターネット(検索エンジン)で検索を促すものが増えた[10]。(この手法は、放送コマーシャルだけでなく、各種広告全般に言える)検索をさせることで、商品や内容などが詳しく知ることが出来る。 インターネット文化が根付いている韓国に於いては、NAVERなどのロゴと共にそれ以前から日常的に見られた。本方式はURLを覚えるより簡易であるが、一方で覚え易さから一般的かつ無関係なキーワードを表示し、不適切な検索結果が表示されるケースも存在する。検索エンジンによっては通常の検索結果の他にスポンサー枠を持つものもあるが、こちらは契約期間が終われば一切表示されなくなる。
また、検索結果にフィッシングサイトが表示される可能性もあることから、産業技術総合研究所は特にフィッシングの対象となりやすい企業に対し、本方式による広告を控えるように呼びかけを行っている[11]。
通信教育(ユーキャンなど)、通販(健康食品、ジャパネットたかたなど)などのCMの後半で「詳しくは○○(明日、今日、昨日、日付のいずれか)の新聞のチラシ(広告、折り込みなど)をご覧下さい。」と言うもの。その際、(一部チラシの入らない新聞もあります。)などと表示される。
CMは限られた秒数内で企業や商品のイメージ、購買意欲などをそそるような効果を目的として制作され、広告宣伝業界では「3B」(Beauty、Beast、Baby。美(もしくは美女)・野獣(動物)・幼児(乳児)。)を用いることが伝統的な手法として定着している。これら「3B」は、人間が漠然と物を見ているときにも目に留まりやすい心理効果を狙った事物であり、テレビ・ラジオ等のCM以外にも広告宣伝全般で応用されている。
CMの制作は、スポンサー(広告主)から依頼を受けた、広告代理店を中心として制作されることが多い。 広告代理店の企画担当者(クリエイティブディレクター、CMプランナーなど)が中心となって企画を作り、その後の実制作は広告制作会社が行うことがほとんどである。近年では企画から制作会社が関わるケースも多い。そこからさらにCG制作会社、ポストプロダクション会社など、1本のCMが完成するまでに、様々な会社・人が関わり制作は進められる。
CMのディレクターは映画業界に倣って監督と呼ばれることが多い。
CMディレクターにあっては、前述のように限られた秒数内で消費者や視聴者に訴求効果を与えるために実験的な視覚効果や映像技術を実践することもあるが、CMは芸術ではないので広告主の目的にそぐわない方向に演出が向かないようプランナーが歯止めをかける役目をすることもある。
CMディレクターの中にはCM畑で養ったカット割りの技術やアングルやショット、笑いのセンス等の演出テクニックを評価され、映画監督として活躍する者もいる。
映像関連のソフトウェアとしては、映像にテロップやスチル画像を嵌め込む初歩的な視覚効果から、コンピュータの高性能化と相まって3DCG による視覚効果を狙ったものに変化し、ソフトウェアの機能や性能を伝えるために各種博覧会等の場を用いて複数企業で採用されているCM映像をソフトウェアのデモンストレーションとして提示し、ソフトウェアの高機能性と市場シェアの大きさを顕示している。その一方で、制作業界全般で、同一ソフトウェアや、同一傾向にあるソフトウェアの使用によって、定型化した視覚効果が生じ、消費者や購入者の目が慣れてしまい、新鮮さや斬新さがなくなり陳腐化することがある。
テレビCMは15秒単位で構成されるが、単一商品群を扱う企業にあっては、複数のCMを細切れにして一本化する手法がある一方で、複数種の商品を扱う企業では、商品ジャンル毎に特定キャラクターやタレントを用いて、シリーズ化する手法がある。さらにテレビCMそのものを一本のストーリーとして、特定シーズンに限り分割して放送する手法もある。この、特定シーズンにストーリー化したテレビCMが日本で初めて採りいれられたのは、柳葉敏郎、賀来千香子を用いたJRAのテレビCMで、以降複数の企業でCMのシリーズ化が始まる。
インターネットの普及と通信速度の高速化により動画配信の市場が拓け、過去に放送されたテレビCM映像を各種企業が映像ライブラリーとしてインターネット上で提供するようになるのと並行して、インターネット利用者の世代や市場定着に着目した企業がテレビCMの続きをインターネット上で配信する傾向が2004年頃より生まれてきている。また、インターネット上でしか配信できないような内容のバイラルCMが注目されている。
人の視覚認知は、ある条件下では正確さを持つ一方で錯視に代表される錯覚も生じるため、動画CMでは心理効果も併用して、現実の映像をより一層現実感をもって消費者や視聴者に訴えるような映像効果や技術を研鑚している。コンピュータの処理速度の高速化や、3DCGの高機能化により、一時は実現が難しいとされていた煙や湯気等の気体の動きも徐々に再現されるようになり、テレビの前に座っている人間にとっては、どこからどこまでが現実のものか識別できないデジタル化の傾向に向かっている。その一方で、現実不可能と思われるような実写を試行錯誤と多大な時間をかけて撮り、高い評価を収めている動画CMもあって、デジタル化とアナログ化の両極化が現れてきている。[要出典]
1990年代初頭までのテレビCMは、その大半において35ミリ/16ミリフィルムを用いて撮影したものをフィルム編集し完成させていた。そして放送局にフィルム納品してテレシネし放送していた。その一方、1970年代後半以降ビデオ編集機材が充実してきたこともあり、フィルム撮影した素材をテレシネ後、VTR編集し、放送局にテープ納品する動きも出てきた。当初は在京キー局にて放送される分をテープ納品に切り替え、その他の地方局(関東エリア内の独立UHF局や大阪・名古屋の準キーを含む各局)へは従来通りのフィルム納品を続けるという方式を取っていた。フィルム納品は1990年代にはなくなり、すべてテープ納品に切り替わった。[12]
一般にCMは、短時間の素材に極力効果的なメッセージを凝縮しようとするため、編集作業には細心の注意が払われる。技術的には、高価な使用料を要する最新のデジタル編集スタジオを借りて、高品質の編集が行われる。最終的にはNTSCのアナログ放送の画質や、MPEG-2で圧縮された画質で放送されるものであっても、D1-VTRなどのデジタルコンポーネント映像信号を用いた編集機器が用いられていた。2000年代になるとBSおよび地上波デジタル放送におけるデジタルハイビジョン放送に対応したハイビジョン編集室も普及した。
CMはフィルムでの撮影が主流ではあるが、フレームレートは映画の秒間24フレームとは違い、通常の番組(NTSC)と同様に秒間30(厳密には29.97)フレームであるのが一般的である。
前述のように、1990年代初頭までは16mmフィルム、35mmフィルムのCM素材をビデオテープにコピーせずフィルムのまま放送局に納品されていた。この次期までのCMは、放映されるにあたってオリジナル原版のフィルムに比べて画質、音質が劣化していることが多々あった。原因はCM素材を16mmフィルムで納品するにあたってキネコという光学的なプリント方法が用いられたことと、オリジナル原版が35mmフィルムの場合は上記に加えて16mmフィルムに縮小コピーしてから納品されていたからである。
地上デジタルテレビ放送が2003年にスタートし、CMも従来の4:3のSD制作から16:9のハイビジョン制作に切り替えている。当初は家電メーカーが地上デジタルテレビ放送に対応するテレビの宣伝にハイビジョン制作が使われた。
2008年頃からは家電以外でもハイビジョン制作が増えていったが、製薬会社や、食品会社、保険会社、不動産会社などは完全移行する直前までSD制作の比率が高かったが、完全移行した2011年7月24日以降も4:3のままで、また新規に制作されたCMでも4:3で放送される会社もある。またお詫びCMは現在でも4:3が殆どである。
最近では地方局でも大手ローカル企業を中心にハイビジョン制作によるローカルCMが増えてきている。静止画のみのテレビCMはスライドCMというが、最近は地方局でも減少傾向にある。
テレビ放送初期には、一日の放送するテレビCMを一本のフィルムにまとめて放送するといった、効率的ではない方法でテレビCM送出が行われていたが、その後CMバンクと呼ばれるシステムが実用化され、現在ではほとんどのテレビCMがCMバンクから送出されている。
「CMバンクシステム」も参照
など、上記に該当する場合はCM中でもその情報を入れることがある。ただ、これらは該当する地域や各放送局によって運用基準に微妙な差があり、あくまで各放送局の基準に則って運用されている。
テレビのCMでは、視聴者にインパクトを与えるべく、台詞(キャッチコピー)や映像作りに腐心しているが、時として表現について問題視される作品が出現することがある。問題視されたCMの中には本当に大問題なものもあるが、現在においては意識の変化なのか、かえって過剰とも愚かとも言える(クレームをつける側も聞く側も)配慮を求め、またなされている。背景にあるのは「コマーシャル(広告)は『好きでない人』はいても良いが、『嫌いな人』がいてはならない」という、広告業界全体の潮流であり、広告、放送、コンテンツなど、コマーシャルに関わる各業界が直面している現状を垣間見ることができる。また、一部のCMは、YouTubeやニコニコ動画で視聴が可能。
下記以外に、時間帯や番組内容に配慮されていないCM(食事時や料理企画の放送時の雑菌や排泄の表現があるCMなど)などが問題視されることがあり、しばしばBPOやJAROなどに意見が寄せられているが、殆ど下記にもあるような言い掛かりに近いようなクレームも多い。
以下、特記を除き日本での事例を記述する。
「ACジャパン#東日本大震災に伴う特別措置」も参照
メーカーが製品に関する不祥事(大量のリコールなど)を起こした場合、通常はそのメーカーのCM自体が自粛され、ACジャパンなど他のCMに差し替えられるが、死亡事故が発生するなどの重大なケースでは事故の発生を謝罪し、該当製品の修理・取り替えなどを視聴者にお願いするCMが流れることがある。また稀にテレビ局側でも、不祥事の謝罪や、視聴者に呼び掛ける警告でもしばしばCMが流れることもある。これを俗にお詫びCMまたは謝罪CMという。
最初のお詫びCMは、三洋電機が1985年に石油ファンヒーター事故を受けて制作したCMであるとされる。このCMは動画やBGMが一切流れず、テロップと事故を起こした製品の写真のみが表示され、淡々と男性ナレーター(担当:津田英治)が事故の報告と謝罪、製品の修理のお願いを語るだけという、通常のCMの形式とは著しくかけ離れたものであった[26]。また、このCMは、映像自体が判明しているため、YouTubeやニコニコ動画で視聴可能。 また、同年から1986年に日立製作所が冷凍冷蔵庫の発火事件受けてお詫びCMを流した。(こちらは映像自体が判明していないため、視聴が不可能。)
その後同種のCMは途絶えて久しかったが、2003年に三菱ふそうがリコール隠しを受けて、関連会社の三菱自動車とともにお詫びCMを流した。また、同年には雪印企業グループが提供番組の終了を受け、雪印乳業、雪印食品の不祥事をお詫びするCMが3分間流された。
2005年には松下電器産業(現・パナソニック)がFF式石油温風機事故を受けてお詫びCMを流した。このころ、自動車や家電などの欠陥が内部で隠蔽されていたことがセンセーショナルに報道されていたため、欠陥発覚後いち早くお詫びCMを流し松下電器産業はむしろ株を上げる結果となった。これを受け松下電器産業以降、各企業によるお詫びCMが相次いだ。例として、2006年にはパロマ(湯沸器死亡事故)、アイリスオーヤマ(シュレッダーによる指切断事故)がそれぞれお詫びCMを流した。これらのCMの形式は松下電器産業のCMと酷似している。
2007年になるとリンナイ(湯沸器死亡事故)、INAX(浴室換気乾燥暖房機発火事故)、ヨドコウ(ヨド物置閉じ込め事故)、日本生命(保険金不払い問題)、政府広報(年金記録問題)、日立ハウステック(現・ハウステック)および日立アプライアンス(ミニキッチンユニット用電気こんろのスイッチ不具合)、サンウエーブ(日立と同種の事故)、三洋電機(扇風機発火事故)と特に相次いだ。これらもほとんどが松下電器産業のCMと酷似しているが、日本生命のCMは他のお詫びCMとは異なり、テロップが下から上へ流れていく形であり、BGMが流れている。松下電器産業のお詫びCMも後にBGMが流れる新バージョンのCMがある(また、社名変更後も冬季を中心にCMでの活動を実施している)。
2008年には、JT(子会社のJTフーズによる食中毒問題)・ADEKA(ハローキティ電動式カイロ発火事故)・伊藤ハム(地下水汚染問題)・マンナンライフ(蒟蒻畑窒息事故)・小泉成器(電子レンジ発火事故)といった企業がお詫びCMを流した。また日清食品は、お詫びCMではないものの、当時問題となっていたカップヌードルの匂い移りを防ぐための、保存方法についての注意喚起を伝える、社告形式のCMを放映した。
2009年には、日立が冷蔵庫のCO2削減量不正表示問題についての、メットライフアリコが個人情報流出問題についての、長府製作所が石油風呂がまの無償点検についてのお詫びCMをそれぞれ放映した。
2010年には、トヨタ自動車が大規模リコールを受けての、また日清食品はタイムカン回収についてのお詫びCMを放映した。
2011年には、岩谷産業が電子レンジの発煙・発火事故防止のための無償点検を告知するお詫びCMを放映している。
2011年3月11日に発生した東日本大震災による影響として、東京電力は福島第一原子力発電所事故、ならびにそれに伴う計画停電や節電への協力についてのお詫びCMを、またENEOSやIDEMITSUなど石油元売各社は、地震による各製油所・油槽所の操業停止、ならびにそれに伴う石油製品の供給不足についてのお詫びCMを放送した。さらにJR西日本は、地震による鉄道車両の補修部品の供給不足を原因として、一部の在来線特急と地方路線における減便ダイヤ(間引き運転)、および列車の短編成化についてのお詫びCMを放映した。
他にお詫びCMではないが、Panasonic・TOSHIBA・三菱電機など電機メーカー各社は、電力不足を受けて節電方法を紹介する内容の、またトヨタ自動車など自動車メーカー各社は、災害発生時の安全運転や、省燃費のための運転方法を紹介する内容の、それぞれ社告形式のCMを放映した。
また積水ハウスなど住宅メーカー各社や、明治安田生命保険・損保ジャパンなど生命保険・損害保険各社は、被災者へのお見舞いと顧客対応窓口のフリーダイヤルを案内するCMを放映した。
加えて、もともと原子力発電所を所有していない沖縄電力を除く、電気事業連合会加盟の電力会社各社は、上記東電の事故を受け、節電への協力についてのお詫びCMを放映している。
お詫びCMは基本的にはBGM無しでナレーションが淡々と読み上げる、白地、フォントが明朝体であるという点が特徴である。突然流れてくる場合もあるので、ネットでは「怖い」と揶揄されている。
また、近年ではお詫びCMに娯楽番組等のBGMを流すなど、動画共有サイト等で不謹慎なMADムービーが出回っている。そのため、関係者からは、「バカにしている」などのクレームも多いため、多くはないがサイトから削除されていることもある。
2006年にTBSが健康情報バラエティー番組『ぴーかんバディ!』で白インゲン豆ダイエットにより、下痢や嘔吐を訴える視聴者がいたため、このダイエット法はやめるようにという視聴者への警告とお詫びのCMをCM後の番組が再開する前に何回か流した。
その他の各局・各番組においても、番組内で不適切な表現・発言等があった際、また、それにかかわる事件・事故などの不祥事が発生した際には、その後に視聴者向けのお詫びを告知する、と言うことが行われた。
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