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侮蔑(ぶべつ)は、他者を侮り、蔑み、馬鹿にして、ないがしろにする行為の総称である。
敵対というより一歩距離をおいて哀れんで見下げている場合は軽蔑と呼ばれることが多い。軽蔑の意図が薄く敵対的意図が強い場合は侮辱と呼ばれることが多い。風刺の意図が強い場合揶揄とも呼ばれる。
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侮蔑はされた側に強い不快感を催させ、敵意を起こさせる。このため、侮蔑行為は一般的に、明示的ないし暗黙に社会的に禁止されている。このため、侮蔑行為は秩序が乱れた社会か、さもなくば相当の怒り・敵意がなければ行われることはない。
日本の刑法では、侮蔑行為を直接に罰する法令が二つある。
また、差別に関して強制力は低いが障害者基本法やあらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約などが公布されている。日本国憲法[要出典]をはじめとして特に労働関係の法令[要出典]で差別の禁止事項があり、政令や告示等でセクハラなどの職場上の地位を利用した侮蔑行為が禁止されている。これらは労働基準局による一定の強制力を持つ。
社会的弱者や侮蔑の対象となる行為をしたものが、しばしば集団的に侮蔑の対象となることがある。特定の集団が侮蔑されることにより他の層から孤立し、そのことがさらなる侮蔑を生んで侮蔑される集団が固定化され、社会階層を形成することがある。このような場合を「差別階級」と呼ぶ。[要出典]
言語による侮辱表現は俗に悪口とも呼ばれる。侮蔑対象のいないところで侮蔑する場合、陰口と呼ばれることもある。しばしば公の場所からは排除され、俗語となっている。侮蔑語、侮辱語と捉えるか否かは所属する社会集団によって変化する。例えばハッカーはマスメディアなどで報じられることにより一般社会ではコンピュータを破壊する者、コンピュータ社会の秩序の乱す者を指す言葉として用いられるため侮辱語といえるが、元のハッカー・コミュニティー内部ではコンピュータのエキスパートという捉え方をするため決して侮辱語ではない(コンピュータ社会の秩序紊乱者を表す侮蔑語としてクラッカーと使い分けをしている)。また逆に、ある社会集団では侮蔑語であったものが、別の社会集団に取り入れられる、もしくは社会集団を超えて広く一般社会全体で使用されるようになると侮蔑語ではなくなる場合もある(例: 元は「チンピラ」を意味する「パンク」)[1]。この現象は言語学における意味変化(意味変質、セマンティック・チェンジ)の一つである。侮蔑語は英語圏ではpejorative[2]またはslur[3](スラー。陰でこそこそと言う中傷の意味)などと言う。これ以外にも宗教的な冒涜語の意味として"profanity"という種類の侮辱語もある。
日本語は日常会話で極端な侮蔑語を発することが少ない言語で、むしろ「大根」「こんにゃく」など婉曲な侮蔑語が多い。しかし英語では日常会話でさえビッチ (bitch)、マザーファッカー (motherfucker)〔臆病者〕、アスホール (asshole) などを連発し、韓国語ではセッキ(새끼、ガキ)、ケーセッキ(개새끼、犬ころ)、シッパル(씨팔、性器を指す)を連発する、など、日本語以外では極めて豊富な侮蔑語彙をもつものがある。
敬語と同様に動詞に特別の助動詞を加える、別のことばを用いるなどの方法で侮蔑の侮意味合いを表現することがある。敬語とは逆に、相手を貶めるか自分を持ち上げる表現をする。
場面にそぐわない大げさな敬語を使うことで暗に相手を侮蔑することもある。言葉の上では相手を敬っているが、本意はむしろ逆である。
蔑称(べっしょう)とは、特定の人物や、特定の特徴をもつ人や物事を蔑んで(馬鹿にして、見下して)呼ぶ言葉である。特に、別に正式名称のある場合の別名をこう呼ぶ。特定の社会集団、民族集団、人種集団、宗教などを差別しレッテル貼りを行うために用いられる。
社会的立場が弱い人に対して使われる蔑称は差別語とされ、排除の対象になることがある。しかし、差別語の排除が過剰である場合、それを逆に言葉狩りという蔑称で揶揄することもある。
社会的立場が平均的ないし強い人に対して使われる蔑称は揶揄として取り扱われる場合が多い。
現代では「お前」は敬称ではないが、親密な相手に使われる場合もある為蔑称とも言い難い。しかし、目上の人や全くの他人に使うと蔑称となる。「貴様」や「てめえ」、「あんた」も同様である。「君」も場合によれば例外ではない。
英語圏では差別的な蔑称をname slur(ネーム・スラー)という(例: レッドネック)。
集団や職業に対する蔑称には、その属性そのものが侮蔑の対象となるものと、個人や職業を貶める目的で用いられるものに大別される。また、本来は蔑視の意図のない言葉でも、旧称を用いることで侮蔑と取られる場合もあるので注意が必要である。
以下は人種差別に関する代表的な語彙であり、ヘイトスピーチとみなされ公共の場での発言は著しく忌み嫌われる。
揶揄の当該項を参照されたい。
ゴミ・クズ・カス・クソ・糞・ウンコなどは、それぞれ一般的に価値が低いとされるもので、それを他の人や物に対する代名詞として使うことで、それらへの侮蔑表現として通用する。日本では、「クズ」や「クソ」以外はあまり使われないであろう。日本語以外の言語でもほぼ同様である。例えば、Shit(英、「糞」)というのは本来の意味(排泄物、大便の意)で用いることすら慎まなければならないほど侮蔑的要素が強い卑語である。
日本語では、野菜の名前が侮蔑表現として機能することがある。たとえば足が太い人に対しての大根(もともと色白の足を褒める言葉だったが、後に太い足を侮辱する言葉になったとされる)・侮辱語の一つであるおたんこ茄子(「オタンコナス」で1つの言葉、江戸時代の花魁の符牒で「お短小茄子」=小さな男性器という侮辱から発生した、という説がある)・色白や細身の男へのモヤシ(っ子)などがある。これらの表現は子供っぽい印象を与えるが、大根のように成人女性に対しても十分に侮蔑語として通用することもあるので、乱用するべきではない。
犬(科)に関するもの
猿(科)に関するもの
猫(科)に関するもの
馬に関するもの
家畜に関するもの
鳥類に関するもの
魚介類・海洋生物に関するもの
虫に関するもの
爬虫類・両生類に関するもの
その他の動物に関するもの
英語圏(特に米国)に於いては、ニワトリ(チキン)は臆病者を表し、相手をチキンと呼ぶことは臆病者とののしる意味がある。中南米に於けるヤギも同様である。
非人道的あるいは汚らわしい人物や行為を侮蔑する場合、哺乳類一般を意味するけだものないし畜生が使われる場合がある。獣類一般が侮蔑語として機能しているのは仏教の六道で畜生道が人間道の下に置かれているのと無関係ではないが、仏教特有の価値観というわけでもない。英語ではbeastやbeastlyが同様の侮蔑表現として用いられる(ただし日本語で言う「野性的」の意味の誉め言葉として用いられることもある)。畜生の場合は呼びかけでは「この畜生めが」が典型的に使われるが、その短縮形である「(こん)畜生(め)」は悔しさの表現に転化している。
これをより強調する場合には鬼が使われる場合がある。ただし、この表現は軽蔑というより恐れ・怒りなどを表現することが多く、好意的に「厳しい人」「妥協の無い人」の意味で使われることもある。また動物と組み合わせて「犬畜生(にも劣る)」などがある。
さらに強調する場合は、両者を合わせて鬼畜という表現が使われる。これは存在自体が許しがたいといった強烈な憎悪に近い侮蔑のニュアンスを含む。これでも足りない場合「鬼畜にも劣る」という表現が使われる。
日本語では、植物に例えた侮蔑語も数多く存在し、用いられてきた。
存在を疎ましく感じる者、または見下すときに、病気を引き起こしたり汚染や公害の原因となるものに例えることがある。
身体の著しい特徴が侮蔑の対象となることがある。しばしば差別と関連し、特に障害に関連するものはここでは除外する。
恋愛・性行為は多くの人が重視する上、需給関係がアンバランスだったり、道徳的に制限が多い都合、侮蔑に関連した表現も多い。最近ではSM系アダルトビデオや、俗に言う「2次元キャラ」、「萌えキャラ」の影響も受けつつあり、そこから生まれた誤解も広まっている。
性的嗜好・志向を示す言葉が侮辱に使われる事も多くある。
日本語では性的表現や泌尿器を一般的侮蔑表現に拡張することは稀だが、他の言語では多い。
逆に、年齢が若い事を指摘して侮辱する事もある。
本人を直接侮辱するのではなく、家族(特に母親)を侮辱することによって強い侮蔑の意を示すことがある。英語における最大限の侮辱言葉として「Mother Fucker」がある。
スペイン語圏では、母を連想させる「乳(ミルク)」を汚すことで侮辱の意味を表すことがある。
アラビア語では"ابن الكلب"(犬の息子)と言って相手の親を侮辱する。この「犬」は母親ではなく父親の事を指しているため、本人の父親を罵る言葉である。したがって英語などと異なり、女性を罵る時は" بنت الكلب"(犬の娘)と言わなければならないが、これは滅多に用いられない。
中国語では「他媽的」という表現があり、魯迅は「国罵」(中国を代表する罵り語)とまで書いている。直訳すれば「あいつの母の」という意味だが、一字省略、一字文字を変えてあり、本来は「お前の母を犯してやる」という意味になる。
また、親や兄弟や親族が禿げていたり、太ったりしていても、子供はからかいのネタにするし、自分や家族や親族に自殺者や引きこもり、被差別部落在住者や身体障害者がいる場合、大人でも侮蔑し、実際に結婚や就職などが破談になったケースもある。
ちなみに、王八蛋の音だけを聞いた日本人がもちこんだのがアンポンタンという言葉。
相手の感性や価値観、言動などを否定したり嘲笑することにより侮蔑することがある。以下にいくつか挙げる。
立ち居振る舞いや衣服、言動を馬鹿にした言葉は次のとおり。
尊敬する気持ちが無いことが明らかなのにあえて尊称を使うこと(いわゆる「慇懃無礼」)により侮蔑の意を示すことがある。しかし、対象の面の皮があまりにも分厚い場合、侮蔑としての役をなさないという難点がある。
次の言葉は、侮蔑しているつもりはなくても失礼に当たる言葉、流行語から「ほめ殺し」と呼ばれる言葉。皮肉って使われていた用法がそのまま定着してしまったものが少なくなく、誤用とも変化とも受け取れる。
幼児に対する言葉遣いを大人にする事で、相手の無分別を嘲笑する事がある。
古来から言い伝えられている諺や格言にも、現代では侮蔑または差別と捉えられる言葉がある。
日本語では、漢字を輸入した際に同音異義語が多く生じたが、文字表記においてこの特性を生かし、ダブルミーニングによる語呂合わせが蔑称としてよく用いられている。
英語ではスペル入れ替えや、同じ発音でも単語の境目を変える、などの方法で同音異義語の侮辱を行うことがある(参照:en:Alternative political spelling)。
罵詈雑言(ばりぞうごん)とは、口を極めた悪口、ありとあらゆる口汚ない罵りの言葉の意で、侮蔑語よりさらに侮蔑および誹謗中傷の意が強まる。ここでは、一般的に男性語として通用する言葉は省き、場合によっては暴言と見なされたり、誹謗中傷に当たる言葉を採り上げる。
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