アンズの近縁種であり、容易に交雑する。野梅系(やばいけい)の果実は小形であり、果実を利用する豊後系(ぶんごけい)(肥後系(ひごけい)とも呼ばれる)ではアンズとの交雑により大形化している。ただし、完熟しても果肉に甘味を生じることはない。[要出典]
花芽はモモと異なり、一節につき1個となるため、モモに比べ、開花時の華やかな印象は薄い。毎年2月から4月に5枚の花弁のある1センチメートルから3センチメートルほどの花を葉に先立って咲かせる。花の色は白、またはピンクから赤。葉は互生で先がとがった卵形で、周囲が鋸歯状。果実は2センチメートルから3センチメートルのほぼ球形の核果で、実の片側に浅い溝がある。6月頃に黄色く熟す。七十二候の芒種末候には「梅子黄(梅の実が黄ばんで熟す)」とある。梅には300種以上の品種があり、野梅系、紅梅系、豊後系の3系統に分類される。梅の実を採るのは主に豊後系である。
実梅の主な品種
現在、日本国内では100種類前後の実の収穫を目的とした梅の品種が栽培されているが、特定の地域のみで栽培される地方品種が多く、国内どこでも入手可能な品種は比較的限定される。又、品種によっては花粉が無かったり自家受粉しない品種もあり、その場合は開花時期が重なるように授粉用の品種も必要となる。
その他
花を観賞するほか、果実を梅干し、梅酒、梅酢、梅醤やジャムなどにして食用とする。また甘露梅やのし梅などの菓子や、梅肉煮などの料理にも用いられる。強い酸味が特徴であり、クエン酸をはじめとする有機酸などを多く含むので健康食品としても販売されている。果実から種を取り出すための専用器具も販売されている。
漢方薬では燻蒸(くんじょう)して真っ黒になった実を烏梅(うばい)といい、健胃、整腸、駆虫、止血、強心作用があるといわれる。中国では話梅(広東語: ワームイ)と呼ばれる干して甘味を付けた梅が菓子として売られており、近年では日本にも広まっている。
また、中国では紀元前から酸味料として用いられており、塩とともに最古の調味料だとされている。日本語でも使われる良い味加減や調整を意味する単語「塩梅(あんばい)」とは、元々はウメと塩による味付けが美味くいったこと示した言葉である
バラ科の葉や未成熟の青い果実、核の中の種子には青酸配糖体が含まれ、未熟な種子や腸内細菌の酵素により、シアンを生成する。これが胃酸により有毒性を発揮すると、痙攣や呼吸困難、さらには麻痺状態になって死亡するといわれている。胃酸や胃の消化酵素の分泌だけではシアンの生成は起こらないので、大量の種子をかみ砕いた場合を除いて誤摂取による中毒の危険は限られる。アンズの種子による重症例がある一方、幼児が青梅の果肉を囓った程度では心配ないとされる。また、梅酒の青い実や梅干しの種の中身などは、アルコールや塩分、熱により酵素が失活し、毒性は低下している。
農林水産省が平成20年(2008年)11月に公表した統計によると、日本全国で作付面積は1万7400ヘクタール、収穫量は12万2000トン、出荷量は10万3600トンで、収穫量の都道府県別では、北から青森 1930トン、群馬 6800トン、福井 1270トン、山梨 2100トン、長野 1990トン、奈良 2020トン、和歌山 6万7600トン、徳島 822トンである。
「ウメ」の語源には諸説ある。ひとつは中国語の「梅」(マイあるいはメイ)[9]の転という説で、伝来当時の日本人は、鼻音の前に軽い鼻音を重ねていた(現在も東北方言などにその名残りがある)ため、meを/mme/(ンメ)のように発音していた、これが「ムメ」のように表記され、さらに読まれることで/mume/となり/ume/へと転訛した、というものである。今日でも「ンメ」のように発音する方言もまた残っている。
梅紋(うめもん)は、ウメの花を図案化した日本の家紋である。その一種で「梅鉢(うめばち)」と呼ばれるものは、中心から放射線状に配置した花弁が太鼓の撥に似ていることに由来している。奈良時代に文様として用いられはじめ、菅原道真が梅の花を好んだことにより天満宮の神紋として用いられ始めたと考えられている。
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