| 全長(cm) | 体重(kg) | 特徴 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| オス | メス | オス | メス | ||
| アムールトラ | 270 - 370[3] | 240 - 275[3] | 180 - 306[3] | 100 - 167[3] | 最大亜種。体毛は長く、密生する[1]。腹面は脇腹も含めて白い体毛で被われる[1]。尾は白と黒の体毛で被われる[1]。 |
| アモイトラ | 230 - 265[4] | 220 - 240[4] | 130 - 175[4] | 100 - 115[4] | 白色部は狭く、脇腹は白くない[1][4]。縞は太くて短く、縞の数は少ない[4]。 |
| インドシナトラ | 255 - 285[4] | 230 - 255[4] | 150 - 195[4] | 100 - 130[4] | 背面の毛衣は赤褐色がかかる[4]。縞は細くて短く、縞の数は多い[4]。 |
| マレートラ | |||||
| スマトラトラ | 220 - 255[4] | 215 - 230[4] | 100 - 140[4][5] | 75 - 110[4][5] | 背面の毛衣は赤褐色。側頭部の体毛が長いが[5]、頸部の鬣は短い[1]。縞は太くて[5]、縞の数は多い[1]。 |
| ベンガルトラ | 270 - 310[4] | 240 - 265[4] | 180 - 258[4] | 110 - 160[4] | 体毛は短い[4]。背面の毛衣はオレンジや赤褐色、腹面や頬、耳介の内側は白い体毛で被われる[4]。縞は少なく、肩部や胸部に縞のない個体もいる[4]。 |
ホワイトタイガーはアルビノとは異なりベンガルトラの白化型である。トラ自体の個体数が少ないため、野生で見られるのは稀である。ホワイトタイガーは、普通のトラでは黄色になる部分の毛が白く、かつ黒縞の色が薄く、瞳の色は青である。白化型の遺伝にはメンデルの法則が当てはまるとされる。アムールトラの白化個体に関しても目撃情報はあるが確かな記録はない。[6]。また縞がないか、あっても極めて薄いスノーホワイトと呼ばれるパターンもある。
ホワイトタイガーはインドでは神聖なものとされ、中国及び日本でも白虎として崇められた。また近年ではサーカスの目玉として脚光を浴びる事もある。現在、日本では各地の動物園やサファリパークなどで20頭前後が飼育されている[7]。
上記以外の体色も目撃された例がある[8]。
森林や湿原などに生息する[1]。地表棲だが、木にも登る[2][4]。夜行性だが[2]、主に薄明薄暮時に活動し昼間に活動することもある[4]。群れは形成せず、繁殖期以外は単独で生活する[2]。オスは数十平方キロメートル、メスは20平方キロメートルにもなる縄張り(縄張りの規模は獲物の量などで変動がある[4])を形成して生活し、オスの縄張りの中に複数のメスの縄張りが含まれることもある[1][2][4]。縄張りの中を頻繁に徘徊し、糞や爪跡を残す、尿を撒くなどして縄張りを主張する[1]。温暖な地域に生息する個体は避暑のため水に浸かる[1][2]。泳ぎも上手く、泳いで獲物を追跡することもある[4]。
食性は動物食で、主に哺乳類(体重50-200キログラムのシカ、イノシシ)などを食べるが、大型のヘラジカやワピチ、スイギュウ、ガウルなどの大型の獲物、アジアゾウやサイの幼獣、爬虫類、魚類や昆虫、果実、種子を食べることもある[1][2][3]。家畜や人間を襲うこともある[1]。1日あたり平均6-18キログラムの獲物を食べるが、1日で20-35キログラムの獲物を食べることもある[1][2]。1日あたり10-20キロメートルを徘徊し獲物を探す[1]。獲物を発見すると茂みなどに身を隠し近距離まで忍び寄り、獲物に向かって跳躍して接近する[1][2]。獲物の側面や後面から前肢で獲物を倒し、噛みついて仕留める[1]。自分の体重の半分以下の小型の獲物に対しては咽頭部を噛み続けることにより窒息死させ、大型の獲物は頸部に噛みついて仕留める[1]。獲物は茂みの中などに運び、大型の獲物であれば数日に何回にも分けて食べる[1][2]。
繁殖形態は胎生。妊娠期間は98-110日[2]。1回に1-6頭の幼獣を産む[2]。繁殖期は地域によっても異なりインドの個体群は雨期が明けると交尾し主に2-5月に繁殖する[4]。発情期間は数日だが、約2日間に100回以上交尾する[1]。メスのみで幼獣を育てる[1]。授乳期間は3-6か月[4]。幼獣は6-14日で眼が開き、4-8週間で巣から出るようになる[4]。幼獣は生後18-24か月は母親の縄張り内で生活し徐々に独立する[1]。生後2年で幼獣の半数は命を落とし、オスが幼獣を殺すことも多い[4]。生後3-5年で性成熟する[2]。寿命は約15年と考えられている[4]。
骨が漢方薬になると信じられている[4]。
開発による生息地の破壊、薬用や毛皮用の乱獲、害獣としての駆除などにより生息数は激減している[4][5]。20世紀に入ると3亜種が絶滅した[4]。19世紀における生息数は約100,000頭と推定されている[4]。亜種や地域ごとの生息数に関する調査では
生息地を自然保護区を指定したり、獲物も含めた生態に関する調査などの保護対策が行われている[4]。
P. t. altaica アムールトラ、P. t. corbetti インドシナトラ、P. t. jacksoni、P. t. tigris ベンガルトラ
ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1(2001))[a 2]
P. t. amoyensis アモイトラ、P. t. sumatrae スマトラトラ
CRITICALLY ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1(2001))[a 2]
P. t. balica バリトラ、P. t. sondaica ジャワトラ、P. t. virgata カスピトラ
EXTINCT (IUCN Red List Ver.3.1(2001))[a 2]
トラは何より巨大な肉食獣として、強い、勇猛といった印象がある。虎の入ったことわざや慣用句においては何より恐ろしいもの、強いものの代表として使われる例が多い。またその鮮やかな黄色と黒の縞模様は虎斑とも言って、強い印象を与える。その尾は太く、強く持ち上げられるのも虎を象徴する特徴とされる。他方、時に人を襲うことから、凶悪や卑属などと言った印象を持たれ、高い神性を認めることは多くない。その際にはライオン(獅子)が用いられる場合が多い。
虎退治を題材とする伝説などのフィクションは古今東西にあり、その多くは登場人物の武勇を表現するために使用された。『水滸伝』の行者こと武松や黒旋風の李逵のそれが有名である。さらに、同作品には実際作中で虎退治を確認できないが虎殺し(打虎将)の異名を持つ人物も登場する。一休宗純が元ねたの一休噺で屏風に描かれた虎を退治するよう言われ、「後ろから追い出してください」と答える頓智が有名である。アニメ「一休さん」でも足利義満が同様のことを発言し、一休を困らせようとしたが、この言葉で切り崩す話がある。また豊臣秀吉の家臣加藤清正が朝鮮出兵中に虎狩りをした逸話は良く知られていおり、これにあやかって明治時代以降、多くの日本人が虎狩りを行っている。なかでも旧尾張藩主の徳川義親はシンガポールで虎狩りを行い、「虎狩りの殿様」として知られている。
強い者、豪傑の代名詞としてよく用いられる。中国の小説『三国志演義』では蜀の劉備に仕えた武将のうち武勇に優れた5人を「五虎大将軍」と呼び、特に張飛はその立派な髯(ひげ)を「虎髯」と呼ぶなど勇猛ぶりを虎に喩えられた。日本でも戦国武将武田信玄や上杉謙信はその武威をそれぞれ「甲斐の虎」「越後の虎」と、虎に喩えられた。ほかにも何人か虎に喩えられる人物が存在する。大日本帝国時代では山下奉文陸軍大将は「マレーの虎」という異名を取った。虎の骨や内臓は滋養強壮の漢方薬に使われ、「強い動物だからさぞ効き目があるのだろう」というイメージを持たれ、前述の乱獲・絶滅危機の原因の一つになっている。その強さにあやかり兵器にも虎の名を冠する物が多い。ナチス・ドイツの重戦車ティーガーI、ティーガーII、イギリスの巡洋戦艦タイガー、アメリカの戦闘機F-11タイガー、F-5タイガーIIなどが有名。
格闘技でも「虎」の名を冠された強者は多いが、最も有名なのが猛虎と怖れられた柔道家の牛島辰熊である。その眼は肉食獣のように鋭く、誰も正視できなかったという。日本一に5回ついている大正期最強の柔道家である。「柔道は生きるか死ぬかの武道である。負ければそれは即ち死である」と言ってはばからなかった。朝は60kgあるローラーを牽きながら走り、深夜になると裸で大石を抱え上げて筋肉を鍛えた。試合前夜にはスッポンの血を飲み、当日はマムシの粉を口に含んで試合場に上がって、試合開始の合図と同時にマムシの臭いを撒き散らしながら相手におどりかかったという。「気の強さは国宝級」とまで讃えられた。戦争を止めるために首相の東條英機を暗殺しようとして逮捕された国士で、まさに猛虎というにふさわしい激烈な男だった。後に日本柔道史上最強と言われるあの木村政彦を育てたが、師の牛島が虎に例えられたように木村は百獣の王ライオンに例えられた。
本文内でも記されているとおり、日本では虎の体色は「黄と黒」と表される。例えば「警戒ロープ」・「警戒用テープ」はその色(黄色と黒)から、「虎ロープ・虎ヒモ(トラロープ・トラヒモ)」・「トラテープ」と呼ばれることがある。同様にセーフティーコーン(パイロン)間を繋ぐ縞模様の棒も「トラバー」と呼ばれる(工事現場などで使用されている)。しかし、実物および写真を見ても厳密には黄色ではなく、ある程度誇張されたあるいは比喩的な表現である。日本での「黄と黒」の表現が何に由来するかは不明である。アメリカでは虎の体色はオレンジと黒とされる。虎をモチーフにしたスポーツチームのチームカラーも、MLBのデトロイト・タイガースやNFLのシンシナティ・ベンガルズのようにオレンジと黒の2色となることが多い。
生物名としてトラを使う例は多い。一つには縞模様をトラに見立てたもの、トラマルハナバチ・トラカミキリ・トラフグなどがある。特に黄色と黒の縞に対して使うが、普通の縞模様を指す例もある。またトラフシジミなどのように虎斑という語もある。他には虎の尾は太くて、それを立てる行動があることから、細長くて立ちがちなものを虎の尾という。トラノオシダ・オカトラノオ・ウミトラノオ・ミズトラノオ(一回り小さいとミズネコノオ)などがある。
ヨーロッパにその存在が知られるようになったのは、アレクサンドロス大王のインド遠征によるもので、ペルシア語のthigra(鋭い・尖った)から、ギリシア語でtigrisと呼ばれるようになり、英語・ドイツ語のtigerへと変化した。ヨーロッパで最初にトラが持ち込まれたのは、紀元前19年にローマ皇帝アウグストゥスにインドの使者がトラを献上した時と言われている。
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