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身長(しんちょう)は、人間が直立した時の、床又は地面から頭頂までの高さ。身の丈、上背(うわぜい)、背丈(せたけ)とも言う。
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人間の大きさを身長で表すのは、動物のうちでは例外的で、人間以外の動物は、多くは全長 として口の先端部から尾の先端部の長さを言う。体長は頭と胴の長さで、尾は含まないのが普通である。哺乳類や恐竜の大半は脚が長く体長に比して体の高さが大きいので、体高を用いることがある。これは4本脚で直立した時の肩の高さの値で、首を上に上げた高さではない(キリンの類を除く)
人類学では、身長160㎝から169㎝までを「中身長」とし、150㎝から159㎝は「低身長」、150㎝未満は「超低身長」と言い、170㎝から179㎝は「高身長」、180㎝以上は「超高身長」とする。更に人類全体の平均身長は、男性で165㎝、女性はそれよりおよそ7%低いとされているが[1]、地域差が非常に大きい。また、後に述べるように先進国を主として近現代には大幅な身長の増加があったのをはじめ、同じ国や地域でも、時代によってもかなりの変異が見られる。
| 国名 | 男子 | 女子 | 年令範囲 | 調査年 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 171.82 cm | 158.84 cm | 20-24 | 2010[2] |
| 中華人民共和国 | 170.2 cm | 158.6 cm | 17(都市部) | 2002[3] |
| 韓国 | 170.8 cm | 160.6 cm | 17 | |
| 北朝鮮 | 164.9 cm | 154.0 cm | 20 | |
| シンガポール | 171.0 cm | 161.0 cm | 不詳 | |
| イラン | 173.0 cm | 不詳 | 17 | |
| イスラエル | 175.6 cm | 162.8 cm | 20-22 | |
| デンマーク | 180.3 cm | 165.2 cm | 18-24 | |
| イギリス(イングランド) | 177.6 cm | 163.7 cm | 25-34 | 2008[4] |
| フランス | 177.0 cm | 164.6 cm | 20-29 | 2001[5] |
| ドイツ | 178.0 cm | 165.0 cm | 18- | 2009 [6] |
| イタリア | 174.58 cm | 不詳 | 1980年生まれ | |
| アメリカ合衆国白人 | 178.9 cm | 164.8 cm | 20-39(スペイン系を除く) | 2003-2006[7] |
| アメリカ合衆国黒人 | 178.0 cm | 163.2 cm | 20-39 | 2003-2006[8] |
| カナダ | 176.0 cm | 163.3 cm | 25-44 | 2005[9] |
| オーストラリア | 178.4 cm | 163.9 cm | 18-24 | 1995[10] |
※各国の教育・厚生・衛生・統計関連官庁、医科大学、研究機関等の資料による。
個人の身長は主に成長ホルモンとそれを刺激する女性ホルモンの分泌によって左右される。女性ホルモンは成長ホルモンの分泌を刺激し身長の伸びを促すと共に骨端線を閉鎖を促し、骨端線が閉鎖され成長ホルモンを止めてしまう。女性は男性より女性ホルモンの分泌が多く、思春期での身長の伸びは男性より早いが、骨端線も男性より早く閉鎖してしまうため、最終的に女性ホルモンの分泌が少なく骨端線の閉鎖が遅くなる男性より低身長となる。女性ホルモンが全く作用しない男性では骨端線が閉鎖しないため高身長となる[11]。成長ホルモンが多くまたは長期間排出されると巨人症となり、逆に少ないまたは短期間排出の場合には小人症となる。
また、身長は一日を通して一定ではなく、平均身長の男性で約2cm程度の変化がある。これは、朝起きたときには椎間板が充分に水分を含んでいるが、夜寝る前には自重などにより圧迫され、かなり水分を放出するためといわれている。しかしこれらは個人の変異又は一時的なもので、人種或いは地域集団に見られる身長の差や、時代による変化とは関係がない。
生活水準が向上し栄養(特に、肉を中心とする動物性蛋白質)に恵まれると身長が高くなると言われる場合が多いが、身長の大小と栄養の間には必ずしも強い相関はない事に注意する必要がある。確かに近現代になって先進諸国では身長が大きくなったが、世界的には身長の高低と生活水準(文明)の高低は一致しない事が多い。例えば、世界の高い身長の集団はアフリカのサラ族(平均身長181.7cm、以下同じ)、スマトラ島中央部のマライ人 (175.5cm) 、南米南部のパタゴニア人 (175.0cm) 、スウェーデン人 (174.4cm) など、文化にも地域にも、共通点もまとまりもない[12]。一般に、コーカソイドは高身長の傾向があり、特に北欧に分布する北方人種は高い。モンゴロイドは中身長が多く、ネグロイドはナイル川上流付近で平均180cm以上の超高身長(サラ族、ディンカ族等)のものからネグリロ(ピグミー)のように150cmを切るような超低身長まで幅広い変異を示す。こうした差異は生まれた時からあり、フランス人の新生児の身長の平均は50cmなのに対し、インドシナ人の場合は46cmしかない。人種あるいは地域によるこのような差がなぜ生じたのかは不明。
日本においては、第二次世界大戦後の国民の栄養状態改善(肉食の普及)によって青少年の身長が大幅に伸びたと言われるが、実際はそのような単純なものではない。東京帝国大学(現在の東京大学)男子学生を対象とした調査によると、1910年代から1940年代の30年間に3.1cmの身長増加が認められ、同じく女子学生では1910年代から1950年代の40年間に3.4cmの増加があり、戦前から男女共にほぼ10年間に1.0cmという急速な身長の伸びが見られた事が分かる。[13]歴史を遡ると、成人男子の場合、縄文時代には156cmから160cmであったが、古墳時代には165cmほどになり、以降は鎌倉時代、室町時代と経るにしたがって次第に低くなり、江戸時代には157cmと、歴史時代では最も低くなり、以後増加に転じて、明治以降は急速に高くなった[14]。これらは栄養の良否だけでは説明が付かない。
先進諸国での高身長化も含め、身長がどのような理由でどのように決まるかについては古今に様々な説がある。栄養以外にも、照明の発達による昼間時間の延長がホルモン分泌に影響を与えた結果であろうとする意見もあるが[15]、現在でも決定的と言えるものはない。多くの要素が、中にはまだ知られていない原因も含めて複雑に影響し合っている可能性が考えられる。従って、巨人症や小人症のような明らかな異常の場合を除き、人為的に身長を制御する事(背を高くしたい云々)は困難な上、安易に行なうのは肉体的もしくは精神的に大きな危険を伴う恐れがある。以下に述べる説も、多くはあくまで仮説の段階で、中には厳密に証明されていないものもある。
身長は主に脳下垂体から分泌される成長ホルモンとその影響によって左右されることが明らかである。成長ホルモンは睡眠時に多く分泌されるため(特に23時-翌2時)睡眠は重要である。特に、「規則正しく、快適に、十分な時間の睡眠をとる」ことは身長の伸びに限らず成長を促進する方向に働く。
第二次性徴期の身長の伸びはあまり個人差がない[16]とされる。そのため、身長を伸ばすには身長の伸びが著しい第一次性徴の期間と、第二次性徴期にいたるまでにどれだけ伸ばせるかが重要で、これが大人になってからの身長を左右しやすい。
また、夫婦喧嘩の多い家庭は子供が身の危険を感じることにより早熟化を招き、第二次性徴を迎えるまでの期間を短くし低い身長を招くといわれている[17]。
さらに、睡眠不足も早熟化を招き、第二次性徴を迎えるまでの期間を短くし、低い身長を招く[18]。これはメラトニンが不足するためといわれている。
気候の影響が言われる場合もある。ベルクマンの法則によると、同種の恒温動物では寒冷地に住む種が熱帯地に住む種に比べて大柄になるとされる。これは、体が大きくなると表面積が増えて放熱量が増えるものの、体積の増加によってそれ以上に熱生産量が増加し[19]、寒冷地での生存に有利になるためとされる。人類も北欧人の方が南欧人より高い身長である。 ポリネシア地方では熱い気候であるが大柄な人が少なくない。海洋地域では低温に体がさらされることもあるためという説もある。
骨端線閉鎖後も少しずつ身長は伸びているとも言われ、100才で1cmぐらいの成長速度であるという。ただ、老衰とともに脊椎が湾曲して外見上は背が低くなるなど、正確な計測は難しい。
身長の正確な測定には身長計が用いられる。身長計の前に背を向けて真っ直ぐに立ち、スケールを頭頂部にまで下げたところで目盛を読む。最近はデジタルスケールのものもある。
イギリスの統計学者カール=ピアソンは、四肢の長管骨の長さからその個人の身長を推定する公式を発表し、事故死・犯罪被害者の白骨遺体はもちろん、化石人骨の身長を知る為に広く用いられている。下にその一例を示す。
足痕長、足痕幅から、およその身長を推定することができることがある。一般に、日本人の成年男性の身長は、
また、日本人成年女性の身長は、
の計算で算出できるとされている。
或いは、個人の身長は両親の身長から大まかに推測計算することが可能である。予測身長と呼ばれ、下記の計算法がある。
男子
女子
他にも幾つか細部が異なる計算方法もある。おおむね、この数値の誤差9cm以内で収まるのが一般的だが、成長期に身長が伸びやすい環境で生育した個体や、その逆の個体ではその限りではない。
第2次世界大戦後の日本ではメートル法によりセンチメートル表記を主に使用するが[20]、それ以前は尺貫法により尺・寸を用いて表記していた。特に、成人男性の身長は5尺台(約150-180cm)であることが多いので、「5尺」を省略して寸だけで身長を表すことが広く行われていた。
生活空間においては、ドアの高さやベッドの長さなど、身長を意識して設計されているものが多く、人間工学では身長は重要な要素の一つである。学童の体位向上(身長増加)により、学校で使用する机や椅子が合わなくなり、規格の変更が為される例もある。
施設・設備によっては、安全上の理由から利用に身長制限を設けることがある。プールでは多くの場合に最低身長が定められている。遊具などでは、あわせて最高身長も制限することがある。
職種によっては、身長によって制限が設けられている職業がある。航空自衛隊の航空学生は、男女共通で身長158cm以上190cm以下という制限を設けている。警察官の採用には、「おおむね160cm以上」となっており、おおむねなので絶対的基準ではないが、選考の項目となっている。力士の新弟子検査は、身長173cmが必要となり、これに満たない場合は第二新弟子検査を受ける必要がある。
アメリカでは、身長の差が社会的評価の一因となる事が多い。男性の場合、身長の高い人の方が社会的地位が高く、高収入を得やすい。企業の新入社員採用において、学歴・能力が同じ人物が複数人いる場合、身長の高い方が採用されやすいといった社会情勢による。女性の嗜好も背の高い男性に向けられやすい。女性の場合は、かつては背が低い方が従順で控えめであるとみなされ好評価を得る傾向があったが、1970年代頃からのウーマンリブの高揚により、背が高い方が社会的に有利になった。一部の識者はこのような風潮を批判している[21]。日本でも、バブル時代頃に三高の条件の一つに数えられたように、女性の中には高い身長の男性を好む場合がしばしば見られる。それは性的嗜好の一種とも考えられる[22]が、大きくなる事が長寿や健康上とくに有利というわけではない。例えば、心臓等の機能が同じままで体だけ大きくなった場合はそれだけ心臓、膝へのの負担は増すということになり、健康上マイナス要因になる。また、体が大きいほうが維持するエネルギーも多く必要となる。
身長の高い事が社会的評価を上げる風潮がある一方で、標準を大きく上回る高い身長の人は、日常生活で家具調度や建築物或いは乗り物など、生活空間において不便な場合が少なくない。また、前述のように、大きな体格の人は健康上不利になったり、食物摂取量が増加したりと、社会に負担をかける事も考えられる。かつてアメリカでは、背の高いものが高評価を得る風潮がある反面、食料や資源の消費を抑えるべく、人間の平均身長を160cm程度に改造しようという計画が立てられたとの話も伝えられている。
多くのスポーツでは身長が高いことが有利にはたらく。特に、バレーボール、バスケットボールなど高さを要求するスポーツでその傾向が強い。サッカーなど他の競技でも、リーチや打点の高さなどの面で長身が利点となる。大相撲では新弟子検査の項目に身長があり、基準に満たない者は入門すらできない[23]。
一方、長身を動かすには時間がかかるために俊敏性や器用さの面で劣ることがあり、小柄な選手の方が有利とされるケースもある。長身でない選手が活躍しやすいポジションとしては、バレーボールのリベロ、バスケットボールのガード、サッカーのミッドフィールダー、野球の二塁手、遊撃手などが挙げられる。
柔道やボクシングなどの格闘技では体重別に階級があるため、身長もだいたい同じくらいの選手同士が対戦する事になる。他、剣道やフェンシングなどの武具を使用する競技でも身長の高さが有利につながることは少ない。
競馬や競艇やモータースポーツなど動物や乗り物に乗る競技や体重別で階級が分かれる格闘技の一部などでは可能な限り体重を落とす必要があるため、高身長は致命的なまでの負担となる。
日本人の身長は、他の運動・身体データと共に、文部科学省のスポーツ・青少年局参事官生涯スポーツ課が年齢別体格測定として調査結果を公表している。
This text is available under the terms of the GNU Free Documentation License. Last update: 2012年2月13日 15:43:27:JST