事故原因は、潤滑油が漏れてエンジンナセル内に溜まっていた状態で着陸のためにナセルをティルトしたのでオイルがエンジンの高温部に触れて発火したものとされた。エンジンの一方が停止しても飛行が継続できるように左右を結ぶクロスリンク機構が備わっていたが、火災の熱によって複合素材製のクロスシャフトが強度を失い破壊されたものとされた。潤滑油漏れ対策が完了するまでの11ヶ月間、飛行停止となった[3]。
この2つの事故はいずれもV-22自体の欠陥であり、残り3機には改良が加えられ1993年夏に試験が再開されたが、この事故によって2機が失われてしまい、計画に影響を与えることとなった。
このような事故もあったが、技術的問題は殆ど解決されたとの結論に至っており[4]、V-22は1994年に量産が認められた。軽量化や製造の効率化などの製造費用の削減を含む再設計が行われ、1995年量産試作機 (EMD) が4機製造された。最初の7号機の初飛行は1997年2月5日に行われた。
1997年4月には低率初期生産 (LRIP) が承認され、まず5機の生産が決定し、2000年度までにさらに25機の生産が認められた。1999年4月には量産初号機が初飛行し、2000年までには艦上運用試験などが実施され、空軍仕様のCV-22BもEMD7号機と9号機を改修して試作試験が開始された。
2000年4月8日に14号機が夜間侵攻での兵員輸送を想定した作戦試験時に墜落事故を起こし、乗員4名と米海兵隊員15名の計19名全員が死亡した。事故機は他のV-22に後続飛行しながらナセルを立てて着陸進入状態にあり、前方機が減速したので衝突を回避するために急減速し急降下を同時に行った。操縦不能になる直前には、対気速度30kt以下で毎分約2000ft(610m) で降下していた。規定の降下速度は毎分800ft(244m) であったので2.5倍の急激な降下であったため、自らが生み出したVRS(vortex ring state、ボルテックスリングステート、セットリングウィズパワー、渦輪状態)と呼ばれる下降気流によって揚力を失ったための墜落事故だとされた。事故の再発防止策として、危険な下降率となった場合にはコックピットに「Sink rate」と音声で注意しながら警告灯を点灯する装置が加えられた[3]。その後も試験は続けられ、運用評価を2000年8月に完了した。
2000年12月11日に海兵隊訓練部隊VMMT-204部隊所属の18号機 (MV-22B) が、夜間飛行訓練中に森林地帯に墜落し、搭乗していた海兵隊員4名全員が死亡した。事故を受け全機が飛行停止になった。
事故原因は、機体の機構的な問題とソフトウェアの問題、そしてパイロットが不適切な操作をしたためという、複合的な事象が重なって起こったものとされた。まず左ナセルの油圧配管が振動によって配線と擦れあい、配管より高圧作動油が噴出した。設計通り油圧システムの安全装置が自動的に作動してシャットオフ・バルブを閉鎖したため、3重の油圧系統の1つを他より切り離して安全に飛行が継続できるようになった。主飛行制御システムは油圧系統の異常を知らせる警告灯を点灯させた。この時、操縦士は着陸に備えてナセルを回転させている途中であり、主飛行制御システム (PFCS) の警告灯の点灯を知って、手順に従ってこれを停止するリセットボタンを押したが警告灯は繰り返し点灯した。PFCSのソフトウェアはこの時点で無用な警告を繰り返すというミスがあった。パイロットは警告灯に気をとられて操縦がおろそかになり誤って地上に墜落させた。この事故原因が明らかにされた後、油圧システムとPFCSの改良が施された[3]。
2002年5月に飛行停止は解除された。
V-22は固定翼面積が小さく固定翼から発生する揚力だけでは上昇・前進が出来ず回転翼から発生する揚力のベクトル軸の向きを必要に応じて調整し運用することになる。V-22はその要求通りヘリコプターの利点である垂直離着陸と固定翼機の利点である長い航続距離や速さを持ち合わせている。V-22は主翼の両端に大型の回転翼を装着したターボシャフトエンジンを装備し、このエンジンの角度を垂直にかえることによって垂直離着陸を可能としている。エンジンは垂直より少し後方まで向けることが可能で、速度は出ないが後退飛行をする事もできる。
また、エンジンを前方斜めに傾けることによって短距離離陸 (STOL) を行うことも可能である。ただしV-22の回転翼は大型のため完全に前方に向けてしまうと地面に擦ってしまう。巡航時にはエンジンを完全に水平にすることによって通常の飛行機と同じように飛ぶことが可能である。ただし、上記の理由により回転翼は幾分斜め上に向けて飛行する場合が多い。この場合、回転翼は広い面積を有し十分な揚力を得られるので、水平飛行時は通常の固定翼機に比べゆっくりな回転を示している。
なお、2つの回転翼の配置の特性から、垂直離着陸時に片方の回転翼が停止した際の墜落を防ぐために、2つのエンジンを連結シャフトでつなぐことによって、片方のエンジンが止まった場合でも、稼動している側のエンジンによって2つの回転翼を回すことが可能となっている。
V-22の最高速度は300kt(約555km/h)を超える。これは高速のヘリコプターの最大速度である200kt(約370km/h)程度と比べても1.5倍の速度であり、現在アメリカ軍が採用している同規模の輸送用ヘリコプターと比べても実に2倍以上の速度である。
航続距離も空中給油などを併用した場合最大で2,000 nm(約3,700km)以上と長いものとなっている。
固定翼を併用するために、回転翼のみよりエンジンの単位出力当たり大きな揚力を得られる。また回転翼機より高い高度に上ることが可能である。また、海兵隊が使用する強襲揚陸艦などで使用できるよう、ローターと主翼は折りたたむことが可能となっている。サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦ではヘリコプター甲板に4機・格納庫に1機の積載とヘリコプター甲板から同時に2機の発着が可能とされている。
2007年9月にイラク配備のための輸送では、ワスプ級強襲揚陸艦「ワスプ」に10機が積載された。
空中給油プローブ(プローブアンドドローグ方式)を装備中のV-22
MV-22の行動半径(点線)
※黒線はCH-46E
国防総省では458機のV-22を調達することを計画している。内訳は海兵隊用のMV-22が360機、アメリカ特殊作戦軍向けのCV-22が50機、海軍向けのHV-22が48機である。特殊作戦軍の調達については空軍からも予算が支出される[1]。
2000年の開発段階での事故以降は大きな問題も発生せず2005年に運用評価を完了した。2005年9月19日にCV-22量産1号機が空軍に引き渡された。2005年10月28日に国防調達会議は全規模量産 (FRP) の開始を承認した。2007年12月からイラク西部の戦闘作戦に初めて参加した。
FY2010までに185機のMV-22と31機のCV-22を含め216機のV-22が調達されている。2008年3月28日に結ばれた契約ではFY2008からFY2012までに167機を104億ドルで調達することが取り決められた[1]。
在日米軍の再編で沖縄県普天間飛行場の移設に伴う代替施設(名護市辺野古)への配備が計画されていることが、米軍作成資料から明らかになっているが、日本政府は承知していないとしていた。しかし、2008年4月22日、高村正彦外務大臣(当時)は参議院外交防衛委員会で山内徳信議員の質問に対して「配備の可能性がある」との認識を日本政府として初めて示した[5]。
米国防総省は2011年6月6日、MV-22を2012年後半に、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備すると正式に発表した。それを受けて、2011年6月13日、北澤俊美防衛大臣は、沖縄県庁で仲井真弘多知事と会談し、米軍普天間飛行場へのMV-22配備を説明した。
2010年4月8日に空軍特殊作戦軍所属のCV-22が、アフガニスタン南部で夜間に着陸に失敗し横転した。この機体は2009年に初期作戦能力を所得した後に2回目のローテーションとして2010年にアフガニスタンに送られた内の1機であり、CV-22としては通算12号機にあたる。搭乗していた全20名のうち乗員2名と陸軍レンジャーの兵士1名、民間人1名の計4名が死亡し他の搭乗者も負傷した。事故が起きたのは暗視用ゴーグルを使った夜間の砂漠への着陸の最中だったため、ダウンウォッシュ(垂直揚力による下降気流)によって巻き上げられた砂塵で視界が遮られる「ブラウンアウト」が発生し、パイロットが空間識失調を起こしたのではないかという推測がある[3]。
その他に早期警戒機や空中給油機とする計画もあるが今のところ開発されるかどうかは未定。
「バターン」に着艦するMV-22B
開発段階で事故が多発したためティルトローターの特性を原因として根本的に安全性が不足していると批判する者もいる。アメリカ国防総省では事故の原因は調査済みであり、問題はないとしている。2008年7月22日にはイラクを訪問したバラク・オバマ大統領がV-22に乗り安全性をアピールしている[7]。メーカーでも安全性は十分に確保されているとしており、大統領輸送機として現在利用されているVH-3の老朽化に伴う次期マリーンワンの候補に立候補していた。
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